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本屋さんに並べるだけでは、本は売れない

■ 思い入れだけで売れるほど甘くない
本作りに賭ける著者の情熱は大切です。それなしに読者に感動を与えられません。
しかしそれは必要条件であって、充分条件にはほど遠いのです。
先ずは読者に手に取ってもらうこと。これなしには読者の選択以前の問題です。
読者ニーズに合っているか。読者にとって興味のない本は手に取ろうともしません。
その存在さえも気づかれない、手にも取られない本が売れるわけがありません。

■ 著者の知名度が売れる本の最大の要素

読み進まないと、あるいは読み終わらないと、その本の良し悪しは分かりません。
著者や編集者が、これはいい本だと思っても、読者に伝わらないことが多いのです。
この人の書いた本なら読んでみたい。この著者なら期待を裏切らないだろう。
多くの読者の購買理由です。だから残念ながら知名度のない著者の本は売れないのです。
工夫して、奇をてらったタイトルやカバーデザインにしたとしても、売れないのです。

本屋さんに並べる以前の問題です

■ ファンの数しか、本は売れない
著者の周りにどれだけのファンがいるか。出版取次や本屋さんの仕入れ基準です。
もちろんタイムリーな企画ならば、試しに並べてみようって気にもなります。
ただその場合でも、一週間ほど様子を見て、売れないようなら直ぐに返品です。
過去の実績から、この著者ならば売れると思う本は、しばらく置きます。

■ 一人でも多くの読者に読んでもらうには

初めて本を出す人には、本屋さんに並べる以前の問題があると思います。
著者に、どの程度の交友関係があるかです。どれだけ社会と関っているかです。
誰もが最初は知名度もなく、ファンがいないのは当然です。
それでも、せめて100人ぐらいの人に直接買ってもらえるぐらいの広がりが必要です。


無名であるがゆえに求められる本の販売戦略

■ 販売戦略の基本
戦と同じです。相手の力が大きいときは局地戦に持ち込みます。
自分の一番有利な場所へと、戦場を絞り込むことが特に大切です。
読者対象を絞り込み、重点地域を絞り込み、分野を絞り込みます。
その絞り込んだ的に向かって集中攻撃です。
宣伝も販売促進も、先ずは一点突破です。

■ 闇夜に鉄砲では中らない
「誰か買ってくれるだろう」では、結局誰も買ってくれません。
誰も読んでくれません。
目に見える読者対象、実感できる読者対象がいるのかいないのか。
本作り以前の問題です。相手が見えてもいないのに働きかけることは出来ません。
売り込むことも出来ません。
明確に読者を意識出来たとき、自ずから、その販売戦略と戦術は決まります。
読者対象を絞り込む手段と方法は『本にする原稿の書き方、まとめ方』にまとめます。

■ せめて100人は、間違いなく買ってくれる人を
本が出来上がってから働きかけるのが販売促進です。
ただしそれだけでは、余りにも遅きに失します。
ウォーミングアップもせずにスタートラインに着くようなものです。
本が出れば買ってくれる人を、せめて100人は確実に得ることが出発点です。
「本が出さえすれば大丈夫。素晴らしい本だから」では、誰も振り向きません。
買わないと、そして読み終えないと素晴らしい本かどうか分からないのです。
読んでもらう以前の問題として買ってもらうという高いハードルが聳えています。

売れている本の、最後の決め手は口コミ

■ 本を出すとき、本が出てから
出版前に興味を持ってくれる人を最大限作ったとします。
出来れば数百人欲しいところです。
その上で、発行した瞬間での集中力が命運を分けます。
新刊委託で本屋さんに搬入したとします。契約では6ヶ月間の委託契約です。
現実には、もし売れないなら、1ヶ月もしないうちに返品になります。
本屋さんも、売れそうもない本を貴重なスペースに置く余裕はありません。
言うまでもなく、初速が大切です。直ぐに売れた本は本屋さんも補充します。
たとえ発行時期をずらしても、最初から全力疾走できる体制を用意します。

■ どこまで口コミを利用できるか
ネット書店が急成長しています。
一方で、携帯文庫などで人気の出た本が売れています。
実は、このどちらも口コミの延長線上にあります。ネットを通じた口コミです。
同時に、この二つの共通点は「客注(お客さんの注文)」が多いという側面です。
平積みや面陳と呼ぶ本屋さんでの露出度の高い売り方が今までは販売の基本でした。
もちろん最後は店頭勝負に変わりがないのですが、それだけでは売れない時代です。
口コミで広がった人気商品は、本屋さんも平積みします。
売れるから、売れているから平積みするのです。
平積みしたから売れたわけではありません。

■ 著者の働きかけ抜きに口コミは広がらない
出版社がいくら宣伝をしても、単なる売込みとしか受け取られません。
著者の情熱、著者の思い、著者への親しみ。これ抜きに口コミは広がりません。
そして著者の周りに共感する人や共鳴する人の輪が出来たとき、一気に爆発します。
友だちの言葉、知り合いの言葉は、それほどまでに信頼されるのです。
100回の新聞広告よりも、友人に勧められたほうがインパクトは大きいのです。
情報過多の時代だからこそ、血肉の通った言葉の方が100万倍の力を持ちます。


■ 1000人は買ってくれる本を
自費出版だからこそ、読者ニーズの考察が必要なのではないでしょうか。
読者に迎合することなく、自らの主張や作品を伝えたいなら、さらに検討が必要です。
相手(読者)を理解せずに、一方的に自分の主張や作品を押し付けても振り向いてはくれません。
読者である自分のことを理解して書かれた本だと思ってもらえない限り、買ってはくれません。
ネット書店や本屋さんルートへ送り込むならば、本作りの前に1,000人の読者の確保です。

■ 知人を増やすことに勝る読者作りはない
せっかく手にしたブログやSNSです。とことん活用する努力が必要なのではないでしょうか。
私は出来るだけネット仲間に会うようにしています。実はこれも私の読者作りなのです。
あの人の本なら読んでみよう。あの人の本なら買ってみよう。1,000人の知人作りです。
大切なのは、お互いの人間関係、そして共感してもらえる人間性です。
それ抜きに知名度のない個人が出す本を買ってもらえるわけがありません。企画以前の問題です。
せめて1,000人。自費出版本を手掛けながら、そう思い続けています。